14ページ目~8月31日の夜に~

8月31日の夜になった。

私は、また5年前のことを考える。

5年前の今日、私は母親に不登校になることを伝えた。

小学校、中学校、高校でいじめを受けた中で、中学校で自分の中での"限界"が訪れた。

9月1日からまた学校に行きたくなかった。怖かった。

またいじめられる。また見て見ぬふりをされる。また笑われる。明日のことを考えるだけでお腹が痛かった。涙が止まらなかった。


偽善者の中によく、"いじめられる側にも原因がある"という言葉を言う人がいるが、それは人の命を落とさせるほどの原因なのだろうか?

そんな原因など、この世に存在しない。


既に学校が始まっている人もいれば、明日から学校が始まる人もいる。

"学校に行きたくないなら行かなくていい"と、無責任な発言ができる立場ではないけれど、学校に行きたくないけど頑張って行ってる人、学校に行きたくなくて不登校になってるけど頑張って生きてる人、全員に伝えたいことがある。


不登校になることが、決して悪いことではない。

いじめが原因で不登校になった時、"逃げた"と言う人達はどうかしている。

逃げたのではなく、自分の命を守ったのだ。

世の中には、いじめが原因でこの世を去った人達が多くいて、8月31日はその人たちが最も多くいると言われている。その中で、いじめが辛くて何度も何度も死にたいと嘆く人もいる。

いじめは、不登校になれば解決する問題ではない。だが、不登校になるということは、自分を苦しめる偽善者たちと会わなくて済む、そして自分の命を守る最善の方法なのだ。そんな人たちのことを"逃げ"だと言う人たちは、偽善者たちと同じだ。


毎年、8月31日が来ると、私はいつも考える。

学校に行くのが楽しみで仕方のない人間、学校に行くのが怖くて堪らなくて、遂には命を落としてしまう人間、自分の命を守るために不登校の決断をする人間、多くの子供たちがいる。

私は、自分自身の限界が来て、想像したくない出来事が起きてしまう前に、自分の身を守って欲しいと思っている。


過去に数回自分の命を落とそうとし、失敗した。自分の命を何度も捨てようと思った私だからこそ今言えること。

8月31日の夜に、考えたこと。